前置き
こんにちは。
皆さんは楽曲を聴く際に「1サビとラスサビで変化があると嬉しい!」なんてことはありますか?
多くの方はあると答えるのではないかと思いますが、1サビからの変化のパターンには以下のものが存在しますね。
・転調(半音上転調や落ちサビの半音下転調など)
・跳びポ(頭拍を空けてから楽器が入る)
・メロディ(高音メロに変化など)
・コード進行(降下していく進行に変化など)
さらに1サビからの変化パターンとして、近年では「言い直すラスサビ」というのがアニソンDJ界隈を中心に話題になっています。
次項にてこちらの解説を行っていきます。
言い直すラスサビとは
結論から言うと「ラスサビに入る際に短めのフレーズをもう一度(以上)歌うこと」です。
そのフレーズというのはサビ頭かBメロの最後であることが多いです。
そしてその多くが転調します。
このワードは秋田のアニソンDJであるしゃけ氏のツイートによって生まれました。
— しゃけ (@pm12_00) 2021年9月8日
これが1番最初の言い直すラスサビに関するツイートだったかが定かではありませんが、検索結果ではこちらが最古のツイートとなっています。
当時はしゃけフォロワーの間で瞬時に話題になりました。
それまでそれに適したワードが生まれていなかったし、誰もが理解出来るワードだと感じました。
そこから「言い直すラスサビ」というのを面白いと捉えたアニソンDJ達はアニクラで1サビに入る瞬間に言い直すラスサビに飛ばすということ流行らせて今に至ります。
さてその「言い直すラスサビ」曲の例を見てみましょう。
純正言い直すラスサビ
歌詞が全く変わらずに言い直す例です。
かくれんぼ/AliA
作詞:TKT 作曲・編曲:EREN
「"いっせーの"で声を上げて」→「"いっせーの"で声を上げて」
「街は」→「街は」
作詞・作曲:ORANGE RANGE
「ABC」→「ABC」
ほぼ純正言い直すラスサビ
歌詞が少しだけ変化して言い直す例です。
作詞・作曲・編曲:園田智也
「素晴らしい世界」→「素晴らしき世界」
1サビでは「素晴らしき世界」
INAZMA/NOMELON NOLEMON
作詞・作曲・編曲:ツミキ
「びかびかどくどくちくたく」→「ぴかぴかどんどんちぐはぐ」
1サビでは「びかびかどくどくちくたく」
おやすみモノクローム/Islet feat.倚水
作詞:とむ少佐 作曲・編曲:Islet
「おやすみってその声で言って」→「おやすみのつづきに誘って」
1サビは「おやすみのつづきに誘って」
準言い直すラスサビ
歌詞がほぼ変化して言い直す例です。
God knows.../涼宮ハルヒ(CV:平野綾)
「だから」→「私」
1サビでは「私」
「IDOL」→「M@STER PIECE!!」
1サビでは「IDOL」
ひとくち、ちょうだい?/瀬名航 feat.AZKi
作詞・作曲・編曲:瀬名航
「酔いしれて」→「連れ出して」
1サビでは「酔いしれて」
1サビ前後には存在しないメロディで言い直すラスサビ
In the Morning/Mrs. GREEN APPLE
作詞・作曲・編曲:大森元貴 ストリングス&トランペットアレンジ:中西亮輔
「でも」→「でも」
の純正言い直し。
Dream Driver/中川翔子
作詞・作曲:じん 編曲:松隈ケンタ
「ちょっとずつ」→「きっとほら」
の準言い直し。
バーニン・クールで輝いて/神速一魂
「(Oi Oi Oi!)」→「(Oi Oi Oi!)」
の純正言い直し。
転調しない言い直すラスサビ
敗北の少年/kemu feat.GUMI
作詞・作曲・編曲:kemu
青のすみか/キタニタツヤ
作詞・作曲・編曲:キタニタツヤ
作詞・作曲・編曲:前山田健一
これが本来の言い直し・・・
2回以上言い直すラスサビ
気づいたら片想い/乃木坂46
作詞:秋元康 作曲:Akira Sunset 編曲:湯浅篤
純正で2回言い直します。転調も2回します。
めうめうぺったんたん!!/日向美ビタースイーツ♪
作詞:夕野ヨシミ 作曲・編曲:ARM(IOSYS)
純正で3回言い直します。転調なし。
ライフ・イズ・サーカス/RiPoP
作詞・作曲・編曲:法戸祐樹
準で3回言い直します。転調も3回します。
叩き直すラスサビ
歌メロディなしで楽器だけで言い直ししている例です。
歌メロなしでとなるとまず注目する点がドラムのリズムとなり「叩き直すラスサビ」という呼び方になったんだと思います。
アザレア/nano.RIPE
作詞:きみコ 作曲:佐々木淳 編曲:nano.RIPE
地球最後の告白を/kemu feat.GUMI
作詞・作曲・編曲:kemu
うれしいきもち/THE KEBABS
作詞・作曲:佐々木亮介 編曲:THE KEBABS
弾き直すラスサビ
今度ドラムまでなくなった言い直しは「弾き直すラスサビ」かなということで叩き直しよりは少ないと思いますが、いくつか存在します。
青春コンプレックス/結束バンド
作詞:樋口愛 作曲:音羽-otoha- 編曲:三井律郎
コードでジャッジャッジャッジャッと弾いたギターが弾き直しています
ジレンマ/DECO*27
作詞・作曲:DECO*27 編曲:Rockwell
歌メロが乗っているので言い直すラスサビとも言えなくないですが、ワードというよりかは楽器の主張がある気がしたので弾き直しと判断しました。
弾き直しのときに楽器がギターだけ残ったパターンです。
消えろ/じん
作詞・作曲:じん 編曲:じん、堀江晶太
全体も該当箇所もカホンのようなリズム楽器が鳴っているような気がしますがそこまで目立たないので弾き直しと判断しました。
アコギとピアノで弾き直しています。
いつから言い直すラスサビは存在していたのか
私が調べた中だと1996年発売のこの曲が言い直し最古曲となっています。
作詞・作曲:桜井和寿 編曲:小林武史、Mr.Children
「だけど」→「あるが」
1サビは「あるが」
もっとよく探せばこれより古い言い直し曲は存在していそうですが、少なくとも筆者も生まれるより前の1996年には存在していたということです。
言い直すラスサビの作り方
こちらの動画で解説がされています。
①は叩き直すラスサビ、②は言い直すラスサビです。
こうやって解説もされていると、やはりラスサビを盛り上げる手法としてはよく使われているんだと感じます。
バーチャル助手(シカクドット)さんの動画はDTMする人の手助けになると思うので是非他の動画も観てみてください。
まとめ
「言い直すラスサビ」を紹介してきました。
2021年までこの言葉が存在していなかったということはまだ研究されていない真新しいものだと思うので、音楽系や文学系の大学に通われている方は是非論文のテーマにしてみてください。
実は私が作ったSpotifyのプレイリストがあるので、こちらでお気に入りの言い直すラスサビ楽曲を見つけてみてください。
皆さんもこのプレイリスト上にない曲で「あ、これ言い直すラスサビ(叩き直すラスサビ)だ!」となった曲があれば↓のリンク(1週間有効)より共同制作者になって曲を追加していただくか、Xにて「#言い直すラスサビ #叩き直すラスサビ #弾き直すラスサビ」で投稿していただけると助かります!